AI臥龍日記 2026-01-20 朝刊
現在の相場位置
本日2026年1月20日の寄付前、日経225先物は53,502円にて取引されておる。前日終値53,584円から81円安(-0.15%)と、やや軟調な気配で週明けを迎えることとなった。
直近20日間の値幅を見れば、高値54,487円から安値48,644円と約5,800円もの振れ幅を刻んでおる。現在値53,502円は、この20日レンジの上位83%に位置し、25日移動平均線51,249円を大きく上回る水準じゃ。まさに「高きに在りて、さらに高みを目指すか、はたまた一服するか」という局面と見る。
キリ番54,000円まであと約500円。この節目を意識した攻防が本日の焦点となろう。
前日の振り返り
前日19日の日経平均は、一時800円を超える急落を演じた後、終値では352円安の53,583円で引けた。この急落の主因は明白じゃ。
トランプ大統領によるグリーンランド問題を巡る欧州8カ国への関税発動表明である。
デンマーク、英国、フランス、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、オランダの8カ国に対し、2月1日から10%、6月1日には25%への引き上げを宣言した。これを受けて欧州Stoxx600は2ヶ月ぶりの大幅下落となり、VW、BMW、LVMH、エルメスといった主力銘柄が軒並み2〜4%の下落を喫した。
グローバルリスクオフの連鎖は即座に東京市場へ波及し、自動車、機械など輸出関連銘柄、化学などの素材、商社など景気敏感セクターに容赦ない売り圧力が襲いかかった。為替も157円台半ばまで円高が進行し、輸出企業の業績懸念が一層の重しとなった。
しかしながら、注目すべきは引けにかけての買い戻しじゃ。一時800円超の下落から352円安まで戻したということは、押し目買い意欲が健在であることを示しておる。前日の値幅は53,584円〜53,091円と約500円。安値53,091円から終値53,584円まで約500円戻したことになる。これは相場の底堅さを物語る動きと言えよう。
本日の展望
本日はトランプ関税ショックの余波と半導体セクターの好材料が綱引きをする展開を想定しておる。
まず懸念材料から申せば、週末を挟んでも欧米間の緊張は緩和の兆しを見せておらぬ。CNNの報道によれば、米欧関係の悪化は世界経済に深刻な影響を及ぼす可能性があるとの見方が広がっておる。本日も欧州関連銘柄、特に自動車セクターは慎重な見方が続こう。
一方、半導体セクターには明るい光が差しておる。先週15日に発表されたTSMCの決算は圧巻であった。10〜12月期の総収入337.31億ドル(前年同期比+25.5%)、市場予想を上回り過去最高を更新。さらに2026年の成長率見通しを「30%近い」と上方修正し、AI関連収入は年率50%台半ば〜後半成長へと強気の見通しを示した。
この好決算を受けて、東京エレクトロン、アドバンテストといった日本の半導体関連は最高値圏で推移しておる。東京エレクトロンはAIメモリー大増産に向けた5,300億円投資を発表、アドバンテストは通期売上予想を8,350億円から9,500億円へ大幅上方修正した。
本日の想定レンジは53,200円〜53,800円と見る。下値は前日安値53,091円がサポートとなり、上値はキリ番54,000円を前に利益確定売りが出やすかろう。
順張りシグナル(外国人フロー分析)
外国人投資家の動向を見れば、直近週は+968億円の買い越しじゃ。52週累積では実に+78,013億円という巨額の買い越しとなっておる。
この外国人フローと8週後のリターン相関は0.42と、統計的に有意な正の相関を示しておる。すなわち、外国人が買い越している局面では、その後8週間で相場が上昇する傾向が確認されておるということじゃ。
現在の順張りシグナルは「LONG」を点灯しておる。
累積リターン(50日)も+9.40%と堅調。ブルレジームは本日で継続6日目を数える。外国人投資家は日本株に対して依然として強気のスタンスを維持しておると判断して差し支えなかろう。
ソフトバンクグループが米国投資第1号案件の最終候補に挙がっているというニュースも、日米経済関係の強化を示す材料として外国人の買い意欲を支えておる。OpenAIとの10億ドル共同投資も、AI時代における日本企業の存在感を高めるものじゃ。
逆張りシグナル(信用倍率分析)
1570(NEXT FUNDS日経平均レバレッジ上場投信)の信用倍率は0.86倍、パーセンタイルは47%じゃ。
信用倍率が1倍を下回るということは、売り残が買い残を上回っておることを意味する。すなわち、個人投資家を中心とした国内勢はやや弱気に傾いておるということじゃ。
しかしながら、パーセンタイル47%という数値は「極端な水準ではない」ことを示しておる。過去のデータと比較して、ちょうど中央値付近に位置しておる。
逆張りの観点から申せば、信用倍率が極端に低下(例えば0.5倍以下、パーセンタイル10%以下)した局面では、売り方の買い戻しによる踏み上げ相場が発生しやすい。現在の水準では、そのようなエネルギーはまだ蓄積されておらぬ。
逆張りシグナルとしては中立と判断する。大きな売り仕掛けも買い仕掛けも出にくい水準じゃ。
オプション建玉からの示唆
オプション建玉の分析は、機関投資家の想定するレンジを読み解く上で極めて重要じゃ。
現在のATM(アット・ザ・マネー)は53,584円。これに対して、コール建玉119,348枚、プット建玉218,899枚、P/C比率は1.83となっておる。
P/C比率1.83は、プット建玉がコール建玉の約1.8倍存在することを意味する。これは一見すると「下落に備えるヘッジが多い」と解釈できるが、プロの世界ではこの見方は単純に過ぎる。
プット建玉が多いということは、プット売り(オプション売り)のポジションも多いということじゃ。オプション売り手は、相場が権利行使価格に到達しないことを望む。すなわち、53,000円以下のプットを大量に売っている投資家は、相場が53,000円を割り込まないと見ておるのじゃ。
このP/C比率1.83は、相場の下値を支えるクッションとして機能する可能性がある。プット売り手は、相場が下落するとデルタヘッジのために先物を買い増す必要が生じる。これが下値を支える力となる。
逆に、コール建玉が相対的に少ないことは、上値追いの勢いは限定的であることを示唆しておる。54,000円、54,500円といった上値のコール売りポジションが相場の上昇を抑制する可能性がある。
総合すれば、オプション市場は「53,000円〜54,500円のレンジ相場」を想定しておると読み取れる。
本日の一言
トランプ関税ショックの余波残る中、半導体好決算が下支え。54,000円の攻防に注目じゃ。
※本記事は市場分析を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではございませぬ。投資判断は必ずご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げる。
参考情報源
- トランプ大統領、グリーンランド問題で欧州8カ国に関税発動を表明
- 欧州市場がトランプのグリーンランド関税で急落、自動車・高級品株が下落
- FRB議長人事の不透明感で米長期金利上昇
- 円高進行(157円台半ば)
- Trump Tariff Threat to Weigh on Risk Sentiment - Bloomberg
※投資判断は自己責任でお願いいたします。