八門日記 2026-03-17 朝刊

シグナル
やや強気
日経平均
取得中 (+0.00%)
信用倍率
18.48倍
レジーム
range
順張り
買い
逆張り
見送り

八門日記 2026-03-17 朝刊

八門日記 — 2026年3月17日(月)朝刊

現在の相場位置

日経225先物の前週末終値は53,751円。直近5営業日で54,248円から約500円幅の下落(-0.92%)となり、じわりと上値を切り下げる展開が続いています。レジームは「レンジ(継続10日目)」、50日累積リターンは+0.70%とほぼ横ばい圏。方向感を欠いたまま、週明けを迎える格好です。

前週末の値幅は53,114円〜53,984円と約870円。始値53,628円から一時53,100円台まで売り込まれた後に切り返しており、下値では買いが入る一方、54,000円の節目は依然として重い壁として意識されています。53,000円〜54,000円のレンジが当面のコアゾーンと見てよいでしょう。

前日の振り返り

先週末の市場を振り返ると、3つの逆風が重なっていました。

第一に、ホルムズ海峡封鎖の継続表明です。イランのモジタバ・ハメネイ新最高指導者が封鎖継続を宣言し、WTI原油は95ドル台、ブレント原油は100ドル台へ急騰しました。日本は原油輸入の94%を中東に依存しており、エネルギーコスト増による企業収益圧迫懸念が市場を直撃しています。

第二に、米国株の続落です。3月13日のNYダウは4日続落、ナスダックも軟調でした。中東の地政学リスクが米国市場にも波及し、リスクオフの連鎖が東京市場に売り圧力として伝播する構図です。

第三に、日銀金融政策決定会合(3月18-19日)を控えた様子見ムードです。政策金利0.75%据え置きが市場コンセンサスですが、植田総裁が「円安はインフレ加速リスク」と発言しており、原油高局面での利上げ前倒し観測がくすぶっています。会合前のポジション調整が売買を萎縮させた面は否めません。

一方で、日本政府が過去最大規模となる45日分・約8000万バレルの石油備蓄放出を開始したことは、供給懸念を緩和する材料として機能しました。IEA32加盟国の協調放出合意と合わせ、原油高に対する政策対応が市場の一定の安心感につながっています。53,100円台からの切り返しは、この備蓄放出報道が寄与した可能性が高いと見ています。

本日の展望

週明け月曜日は、寄り付きの方向感が重要です。先物の夜間取引の動向次第ですが、上記のニュースフローを整理すると、下押し圧力がやや優勢ながらも、下値では政策対応への期待が支える構図が想定されます。

注目すべきは以下の3点です。

テクニカル的には、53,000円が短期的なサポート54,000円がレジスタンス。このレンジを明確にブレイクするには、日銀会合の結果もしくは原油情勢の大きな変化が必要でしょう。

順張りシグナル(外国人フロー分析)

外国人投資家の直近週フローは+3,855億円の買い越し。52週累積では+16兆5,441億円と、依然として大幅な買い越し基調が続いています。順張りシグナルは「LONG」を示しています。

ただし、8週後リターン相関は0.00と、フローと将来リターンの連動性は現時点で皆無です。過去の長期分析でも、外国人フローの予測力は全期間ではほぼゼロ(r≈-0.03)であることが確認されており、この数値だけで方向性を判断するのは危険です。

とはいえ、累積16兆円超の買い越しは、外国人投資家が日本株に対して構造的な買い姿勢を維持していることを示唆しています。原油高という逆風下でも、この資金フローが下値を支える要因の一つになっていると考えます。

逆張りシグナル(信用倍率分析)

1570 ETFの信用倍率は18.48倍(パーセンタイル90%)。これは「強欲:買い残過多」の水準です。

信用倍率18倍超というのは、個人投資家の買い建てが極端に膨らんでいることを意味します。レンジ相場が10日続く中で買い残が積み上がっている状況は、下方向へのブレイク時に投げ売りが加速するリスクを内包しています。

逆張りの観点からは、この過熱感は警戒材料です。53,000円のサポートを割り込んだ場合、信用買いの追証売りが連鎖し、下落が加速する展開も想定しておくべきでしょう。一方で、買い残が整理されないまま上昇する場合は、踏み上げ的な動きにはなりにくく、上値の重さが継続すると見ています。

オプション建玉からの示唆

ATM 53,751円に対し、コール建玉123,698枚、プット建玉207,107枚。P/C比率は1.67と、プットが大幅に優勢です。

プット建玉がコールの約1.7倍というのは、下方向へのヘッジ需要が極めて強いことを示しています。ホルムズ海峡封鎖という地政学リスクと日銀会合という政策リスクが重なる局面で、機関投資家がダウンサイドプロテクションを厚く組んでいる状況と読めます。

ただし、ここで重要なのは、プットが厚いということは下方向へのブレイクが起きた場合にマーケットメーカーのデルタヘッジ(先物売り)が加速しやすい反面、プットの大量保有者にとっては下値で利益確定の買い戻しが入りやすいという二面性がある点です。53,000円を割り込む局面では、一時的な急落の後にリバウンドが生じる可能性にも留意すべきでしょう。

本日の一言

原油高と備蓄放出が綱引きする中、日銀会合前の静けさが嵐の前兆か見極めの一日


※投資判断は自己責任でお願いいたします。本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。

参考情報源

※投資判断は自己責任でお願いいたします。