八門日記 2026-03-25 朝刊
現在の相場位置
2026年3月25日、寄付前の日経225先物は53,192円で推移しています。前日の現物終値52,252円から約940円上方に位置しており、夜間取引での買い戻しが鮮明です。
現在の立ち位置を整理すると:
- 25日移動平均(55,516円)から約4.2%下方に乖離
- 20日安値(50,689円)からは約4.9%上方
- 20日高値(59,332円)からは約10.3%下方
- キリ番53,000円を上抜け、75日移動平均(53,367円付近)が目前
つまり、3月22日のトランプ「48時間最後通告」による急落(51,515円)からの反発局面の2日目であり、レンジ相場(継続15日目)の中間地点に差し掛かっている状況です。53,000円台を回復したものの、25日移動平均の55,516円までは距離があり、本格的な上昇トレンド回帰とは言い難い位置にあります。
前日の振り返り
3月24日の日経平均(現物)は前日比+736円の52,252円で3日ぶりに反発しました。
この反発の直接的な要因は明確です。3月22日にトランプ大統領がイランに対し「48時間以内にホルムズ海峡を開放せよ」と最後通告を発し、23日には日経平均が1,857円安の51,515円まで急落。WTI原油は一時100ドルを超え、地政学リスクが一気に顕在化しました。
しかし、23日深夜にトランプ大統領が攻撃の5日間延期をSNSで表明。これにより市場の過度な悲観が後退し、24日は買い戻しが入りました。加えて、3月27日の権利付き最終売買日を控えた配当取りの買いも下支え要因として機能したと見ています。
夜間先物は53,030円(+790円)まで続伸しましたが、75日移動平均手前で上値が抑えられる展開でした。なお、トランプのSNS投稿直前に先物出来高が急増したとの報道があり、情報の非対称性に対する市場の警戒感は根強く残っています。
本日の展望
本日の東京市場は、先物水準53,192円を起点に53,000円台での攻防が焦点となります。
上値の注目水準:
- 53,367円付近(75日移動平均):テクニカル上の最初の抵抗線
- 53,700円(直近5日前の水準):ここを超えると反発に勢いが出る
- 55,516円(25日移動平均):中期トレンド回帰の目安
下値の注目水準:
- 53,000円(キリ番):心理的サポート
- 52,252円(前日現物終値):ここを割ると反発の勢いが削がれる
- 51,500円付近(直近安値圏):再度の地政学ショックなら意識される
本日の上値を抑える要因として、NYダウ84ドル安とナスダック0.84%安が挙げられます。特にAnthropicのAIレポートを受けたSaaS・ソフトウェア株の売りがナスダックを圧迫しており、東京市場のハイテク株にも波及する可能性があります。
一方で、イラン攻撃延期による安堵感と配当取りの買い需要が下支えとなり、53,000円を挟んだもみ合いがメインシナリオと考えます。75日移動平均を明確に上抜けられるかが、反発継続の試金石です。
順張りシグナル(外国人フロー分析)
外国人投資家のフロー分析からはLONGシグナルが点灯しています。
- 直近週:-17,726億円(大幅売り越し)
- 52週累積:+165,771億円(年間では依然として買い越し基調)
- 8週後リターン相関:0.14(弱い正の相関)
直近週の大幅売り越しは、3月22日のイラン最後通告を受けたリスクオフの動きと整合的です。しかし52週累積では16.5兆円超の買い越しを維持しており、構造的な日本株買いのトレンドは崩れていないと読み取れます。
順張りシグナルがLONGを示しているのは、この累積フローの厚みが根拠でしょう。ただし、8週後リターン相関が0.14と弱いため、短期的な方向感の手掛かりとしては限定的です。地政学リスクの動向次第で、外国人の売買スタンスは容易に変わり得る点には留意が必要です。
逆張りシグナル(信用倍率分析)
1570(日経レバレッジETF)の信用倍率は22.25倍、パーセンタイルは91%と極めて高い水準です。
これは個人投資家の信用買い残が過去と比較して突出して多いことを意味します。つまり:
- 個人投資家は下落局面で積極的にナンピン買いを入れている
- 信用買い残の重さが、反発局面での戻り売り圧力となりやすい
- 含み損を抱えた信用買いポジションが上値の重しとなる構造
信用倍率91パーセンタイルは、過去のデータから見ても警戒水準です。反発が続いたとしても、53,000円台半ば〜54,000円付近では個人の利確・やれやれ売りが出やすいと考えます。この需給構造が解消されるまで、上昇の勢いは限定的となる可能性が高いでしょう。
オプション建玉からの示唆
ATM52,252円に対し、プット建玉226,794枚、コール建玉146,555枚。P/C比率は1.55と、プット優位の構成です。
- プット優位(1.55倍):市場参加者の下落ヘッジ需要が強い
- 地政学リスクを意識したテールリスクへの備えが厚い
- 裏を返せば、下落が限定的であればプットの巻き戻しが上昇を後押しする可能性も
イラン情勢の5日間延期を受け、プットの時間的価値が急速に減衰するフェーズに入る可能性があります。ただし、延期はあくまで延期であり、根本的な解決ではありません。週後半にかけてイラン交渉の進展が見えなければ、再びプット需要が高まるリスクは残ります。
本日の一言
地政学リスクの「延期」は「解決」ではない——反発の持続力を冷静に見極めたい局面です
※本記事は市場の観察・分析を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
参考情報源
- トランプ氏、イラン発電所の攻撃「5日間延期」 週内は協議継続
- トランプ氏の「48時間」最後通告で日経平均急落、WTI一時100ドル超
- 「イラン空爆延期」発言直前、先物取引が急増 いぶかる声も
- NYダウ小幅反落、84ドル安 イラン問題とAI不安が重荷
- 日経225先物:25日夜間取引終値=790円高、5万3030円
※投資判断は自己責任でお願いいたします。