八門日記 2026-04-21 朝刊
現在の相場位置
本日2026年4月21日の寄付前、日経225先物は59,362円で推移しております。前日の東証現物終値58,825円と比較すると、夜間取引で+537円(約+0.91%)上昇しての水準です。
注目すべきは、キリ番の59,000円を明確に上抜けている点です。20日高値の59,688円まで残り約326円の距離であり、25日移動平均線54,726円からは約+8.5%乖離した高値圏での推移となっております。
レジームは「range」で継続9日目、累積50日リターンは+5.76%という地合いの中、本日はレンジ上限突破の試金石となる一日と見ています。
前日の振り返り
前日4月20日の東証現物は、前週末比+348.99円(+0.60%)の58,824.89円で反発引けとなりました。値幅は59,169円〜58,688円で、始値58,821円から陽線引けを形成しております。
主な背景要因を整理いたします:
- 前週末の欧米株高: 米ハイテク株の堅調推移を受け、海外勢の買いが先行
- 米・イラン協議進展期待: ソフトバンクG、ファストリ等の主力株に買いが集中
- 円安基調: 1ドル=159円前後と輸出株を下支え
- 後場の伸び悩み: 値下がり銘柄55%と、上値は限定的
一方、4月21日(本日)に失効予定の2週間停戦期限を控え、イラン国営通信が「米国との第2回協議への参加を拒否」と報道した4月19日のニュースが、相場を神経質にさせた直接要因と考えます。さらにイラン軍当局のホルムズ海峡「再封鎖」表明を受け、WTI原油が88ドル台へ再上昇しており、業種別にはまだらな動きが続いています。
本日の展望
本日の先物水準59,362円は、前日の高値59,169円を既に上抜けている強い気配となっております。この背景には以下の要因が複合的に作用していると見ています。
ポジティブ要因
- TSMCの26年Q1決算(4/16発表)で売上高+35.1%、純利益+58.3%と過去最高更新
- HPC(AI)向けが売上の61%を占め、AI需要の堅調さが改めて裏付けられたこと
- 東京エレクトロン、アドバンテスト等の半導体装置株への波及期待
- ソフトバンクGのドル・ユーロ建て社債発行決定による財務面の安定化
警戒すべき要因
- 本日21日の米・イラン停戦期限: 延長の有無で中東情勢が大きく動く可能性
- 原油価格の再上昇による輸入コストへの影響
- 4月27日(月)のアドバンテスト決算を控えたポジション調整
- 植田日銀総裁発言で4月利上げ観測は後退したものの、5月以降の金融政策不透明感
テクニカル的には、59,000円のキリ番を維持できるか、20日高値59,688円を試す展開となるかが焦点となります。現物寄付き後の海外勢の動向に注目しております。
順張りシグナル(外国人フロー分析)
外国人投資家フローは強力なLONGシグナルを発しております。
- 直近週: +39,433億円の買い越し
- 52週累積: +153,352億円
- 8週後リターン相関: -0.20
52週累積で15兆円超の買い越しは歴史的に見ても極めて大規模です。特に直近週の+3.9兆円は、海外勢が日本市場に対して構造的に強気の姿勢を維持していることを示しております。
ただし、8週後リターン相関が-0.20とマイナスである点には留意が必要です。短期的には順張りシグナル通りの展開が期待されますが、過熱感からの反動には警戒しておきたいところです。
個人的な見方としては、AI時代における日本企業の生産性改善余地の大きさが、海外勢の長期資金を引き寄せている構造的要因の一つと考えております。
逆張りシグナル(信用倍率分析)
1570(日経レバETF)信用倍率は1.89倍(2026-04-20時点)で推移しております。
- パーセンタイル: 58%
- 判定: やや強欲
過熱圏(パーセンタイル80%超)には達していないものの、中立圏(50%)をやや上回る水準です。個人投資家の買い意欲は健在ですが、まだ「総強気」の段階には至っていないと解釈できます。
これは裏を返せば、個人投資家の買い余力がまだ残されている可能性を示唆します。逆張りシグナルとしての警戒度は現時点では低く、順張り優位の地合いを支持する要素と見ております。
オプション建玉からの示唆
オプション建玉の状況は興味深い示唆を含んでおります。
- ATM: 58,825円
- コール建玉: 131,871枚
- プット建玉: 257,464枚
- P/C比率: 1.95
P/C比率1.95はプット建玉がコール建玉の約2倍という状況を示しております。通常、P/C比率が高い場合はヘッジ需要の高まりを意味し、機関投資家が下値リスクに対して慎重な姿勢を取っていると解釈されます。
一方、逆張り指標の文脈では、P/C比率の高さはネガティブセンチメントの極端化を示し、相場の底堅さを示唆する場合もあります。
現在の先物水準59,362円がATM58,825円を上回っている点と合わせて考えると、「ヘッジは厚く敷かれているが、現物は上値を試している」という構図が浮かび上がります。本日21日の米・イラン停戦期限通過後、ヘッジ巻き戻しによる上昇加速の可能性も頭に入れておきたいところです。
本日の一言
キリ番59,000円を制した先物。停戦延長なら上値余地、AI時代の追い風は健在と見ています。
※本分析は市場動向の整理を目的としたものであり、投資助言ではございません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
参考情報源
- 日経平均は反発、買い優勢も上げ幅限定的 | 財経新聞(2026年4月20日)
- 2週間の停戦期限が迫るなか、米国とイランの協議の開催は不透明に(NRI木内登英、2026年4月20日)
- 【日本市況】株が反発、米・イラン協議の進展を意識-円は159円前後(Bloomberg、2026年4月20日)
- 東証大引け 日経平均は反発 米株高で海外勢が買い(日本経済新聞、2026年4月20日)
- 植田日銀総裁、中東注視し見通しやリスクを点検-4月利上げ予想は後退(Bloomberg、2026年4月13日)
※投資判断は自己責任でお願いいたします。